6 独走は有利?不利?
「トップを独走していると波に乗って良い走りができる」
「全くの独走なのにこの記録は評価できる」
「前にいる選手が良い目標になってくれた」
「追い上げなければと思って力んでしまった」
ネット上や陸上雑誌などで、独走状態が有利なのか不利なのか、後ろから追い上げるのが有利なのか不利なのか、矛盾を感じるコメントを見つける事があると思います。
基本的にはトップを独走している状態はチームにとって最高の状態です。
他の選手と競り合わないで良いので、ペースを乱される事もなく、ライバルに対して先行している事が心の余裕に繋がり、リラックスして実力を発揮しやすくなります。
逆に後ろから追い上げる側の選手は、焦ってしまいペース配分を間違えて自滅しがちです。
しかし、2005年箱根駅伝5区の順大・今井選手の1時間09分12秒や、2007年全日本大学駅伝8区の山梨学大・モグス選手の55分32秒のように、後方から追い上げている時に大記録が出るケースがあります。
追い上げる側は基本的には不利ですが、選手の性格やタイム差、追う側と追われる側の力関係、これらが上手くハマった時には、前の選手を目標物として、爆走しやすいシチュエーションと言えます。
簡単に言うと、トップ独走側の選手は95%の力を安定して出しやすいシチュエーションで、後方から追い上げる側の選手は焦ってしまい80%の力しか出せないケースが多々あるものの、時には一滴残らず力を振り絞る100%の力を出し切る走りが出来るシチュエーションと言えます。
基本的には先行して独走している側が有利です。
しかし、大学駅伝の歴史に名を残すような偉大な記録を出すならば、追い上げる側よりも、独走側の方が難しいと言えます。
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